依頼者は、建設作業員として日曜日以外は毎日遅くまで働いたいまが残業代一切支払われなかったため，退職後にテオリアを通じて過去の残業代を請求しました。
この請求に対し，会社は残業代の未払いがあることは認めたものの，事業がうまくいっていなくてお金がないため100万円しか支払えない，裁判するなら会社をつぶす，と言い訳をしていました。
100万円という金額はあまりにも少なく，裁判になればこれを大きく上回ることが明らかであったことから，安易に会社の提案に乗らないことにしました。
しかし，裁判をすると解決までに時間がかかり，その間に会社が本当につぶれる可能性もあったため，裁判を行う前に会社の銀行口座を仮差押えることにしました。
そうしたとこり，金がないから払えない，と言っていたにもかかわらず，口座には多額の現金が預金されており，仮差押えは功を奏しました。
口座を押さえられたことにより，もはや会社も観念し，裁判することなく300万円を早期に支払うことで和解しました。
「お金がない」との会社の言い訳は安易に信じることはせず，裁判前の仮差押え等の手段を講じて実態をつかむことも必要です。